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2020/11/28 21:08

and-on

使う人の心を引き付ける照明

 

埼玉県の伝統工芸である小川和紙は清廉な空気と冷たく澄んだ水の恵みを受け、11枚職人が手で漉いています。

素朴で温かみがある風合いを持ち、使う人の心を引き付ける小川和紙を現代のインテリアに合わせてデザインしました。

and-onで使われている和紙は日本産の楮を原料とし、伝統的な方法と用具で作られます。楮の内側にある長い繊維は強靭で、流漉きによって楮の繊維が絡み合い、丈夫な紙になります。

電球色の光は和紙を通過することで、とても柔らかい光で空間をやさしく包み込みます。

 

和紙の照明は通常竹や木材の枠で制作されていますが、真鍮を使うことで現代のインテリアに合わせたデザインであり長く愛着を持って使って頂けます。

両面とも発光するため、壁面から少し離しておいた際も壁側から採光され実用的に使えるように考えられ、縦でも横で使用可能にすることで様々なライフスタイルに合わせて使えるように設計されています。

 

"and-on"を説明するには、紙について知る必要があります。

 

化学的に作られた紙の場合、大量の紙をどれだけ早く作ることができるかという点で技術が向上しました。

そのため、繊維はできるだけ短く、それを分割して均一にすることでスピードアップしています。

そのため紙の品質が弱くなるので、紙を強化する化学物質が使用されます。色を白く漂白し細かい化学物質を混ぜて滑らかにし、高圧でプレスします。インクジェットとの互換性のために、更にコーティング剤が使われています。このように紙は化学概念を持って開発されました。

 

一方、和紙はとてもシンプルです。小川和紙は、"楮"繊維のみで構成されています。

したがって、ふわふわ、柔らかく、耐久性があり、1000年の保管に耐えられる紙を作ることができます。

 

和紙には空気が多く入っていて呼吸します。

一方、紙はコンクリート製の板のようなものです。

一見するとコンクリートは非常に強いように見えますが脆く、和紙は弱いようですがしなやかな素材です。

 

● 室内の湿度が高いと湿気を吸収し、湿度が低いと空気中に水分を放出し、室内の湿度を一定に保ちます。(結露・カビ防止)

 

●天然素材を原料として使用するアレルギーのリスクはありません

基本的に、和紙は天然素材のみで作られているので、ホルムアルデヒドは放出しません。また、花粉などの小物質やアンモニアを吸着する性質もあります。

 

●燃やしても有害物質を排出しない

天然素材しか使わないので、焼いても有害物質が出てこず、処分や火災の際に人体に影響を与えません。

 

●紙などの森林資源を使用しないため、生態学的に優れています。

日本紙の基本的な原料は、畑などで短期間で作られています。そのため、主原料として栽培するのに長い時間がかかる木材を主に作る紙に比べ、森林資源の破壊が少ない生態学的材料と言えます。また、一度水に戻せばリユースすることも可能です。

 

●日本の紙は植物の木ではなく表皮を主原料としているため抗菌効果に優ると言われています。

和紙の抗菌作用からCOVID-19の問題を少しでも解決できるかもしれません。

"and-on"は現代の環境問題を考え持続可能な社会を目指し、現代のインテリアと調和することを目的とした照明でもあります。


ただ、小川和紙の原材料である楮は国内での生産量がとても落ち、日本からなくなろうとしています。

このままでは小川和紙という伝統がなくなってしまう。その危機感から和紙職人であり今回一緒にモノづくりをした「手漉き和紙たにの」の谷野さんが、一次産業である楮づくりを始めました。


絶対に伝統を未来へ紡ぐ。その熱い思いに共感し一緒に開発した照明が"and-on"になります。

ぜひ障子から漏れるような柔らかい光を楽しんで頂き、使う人のひとときを照らす照明になってくれたら嬉しいです。



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